自動車メーカーから警告!!

 

自動車メーカーの鳥のフンに関するコメント

(車両が鳥のフンで汚されたとき、洗車が必要なわけ)

 

 

      < A社 >

 

鳥のふんは塗装の腐食に影響すると考えています。

付着した場合、ただちに洗車をしていただくようお願いします。

 

      < B社 >

 

鳥のフンには「酸」が含まれています。

長時間放置しますと塗装がはがれてしまったり、ひび割れの原因になる恐れがありますので、早めに拭き取って下さい。

 

      < C社 >

 

鳥の糞の成分には強力な酸性の尿酸が含まれ、車の塗装面を短時間で酸化させます。

夏場などホディーが高温になる時期には、寒い時期に比べてより早く塗装面への浸食が始まります。

時間が経過しますと糞が固まり、除去するときに、車のボディーを傷つけてしまう恐れがあります。早めの対応を推奨します。

 

 

自動車メーカーが警告する「酸」とは?


鳥たちの排泄の仕方

 

~飛ぶのに無駄なものはさっさと捨てる

 

鳥は、空を飛ぶためにたくさんのエネルギーを使いますので、そのための身体的な特徴を多く備えています。

 

そのひとつに排泄のしかたがあります。

鳥は哺乳類(人類も含めて)のように、糞と尿を別々に排泄することはしません。

 

 

 

総排泄孔(そうはいせつこう)と呼ばれるひとつの穴から、糞と尿をひとつの塊として排泄しますので、

原則的に尿も固まっています。

 

なかには尿を白い粘液状にして排泄する鳥もいます。大型の水鳥や猛禽類にその傾向が顕著です。

 

 

不消化の、いわば役立たずの屎尿(糞と尿)を長時間体内にとどめておくよりも、早く体外に出してしまったほうが空を飛ぶエネルギーの無駄になりません。

 

糞と尿を同時に一緒に出せばより効率的なのです。

 

鳥の排泄物の成分

 

水っぽいフンのうち白い部分が尿で、茶色・黒っぽい部分がフンとなっています。

フンの主成分は、たんぱく質・カルシウム・アンモニア・砂・セルロースといったものです。

白い部分は、尿酸の結晶です。

 

動物が体内でタンパク質を分解したときに、その成分元素のひとつである窒素を排出しなければなりません。 

私たち哺乳類は水に溶ける尿素という化合物にして、水に溶かして尿として排出しています。

 

この方法は大量の水を必要とするので、飛ぶために体を軽くしておきたい鳥類には向きません。
そこで水に溶けにくい尿酸という化合物にして、水を少量だけ使って濃縮した形で排出しています。

鳥の糞の白い部分はその尿酸です。

 

 

排泄物の濃さ

 

哺乳類が1gの尿素を、尿として排出するには60mlの水を必要とします。

鳥たちが1gの尿酸を、水っぽいフンとして排出するときは1.53mlの水で済ませています。

 

鳥のフンは成分が高濃度に凝縮された状態で排出され、多くの場合、強い酸性を示します。

(鳥の尿酸は哺乳類の尿の10倍以上に濃縮されています:窒素換算)

 

 そのため、鳥のフンに含まれる尿酸は、車両の塗装を腐食する物質として恐れられています。

 

参考資料

『鳥のおもしろ行動学』 柴田敏隆 ナツメ社

 『鳥便り 鳥へい』 あかいとり ホームページ