先週F-35Bのパイロットは、バードストライクによる機体に巨額の被害を受け、山口県の米海兵隊岩国航空基地の海兵隊基地からの離陸を断念した。
当該インシデント(死者負傷者 機体の損壊・損失を伴わない、軽度の事故)は5月7日第五世代のステルスジェット機が基地の滑走路を移動中に発生した。
バードストライクは離陸開始前に発生、第121海兵隊打撃飛行中隊に所属する航空機に影響を及ぼし、飛行を不可能にした。
この事故の直後、パイロットの操縦で無事に機体を滑走路から離脱させた。
当局者による安全性調査と被害評価が進められているが、軍専用サイトによれば、第一海兵航空団の広報・エリック・フレナガン少佐によれば、初期の損害評価で2百万ドル(2億1,600万円)を超える可能性があると判断された。
鳥類が航空産業に及ぼす危険は厳密に知られておらず、また翼のある生き物がエンジンの至近に接触したため、しばしば航空機に緊急着陸を強いてきました。
2019年4月にF-16 ファイティング・イーグルがニューメキシコのホロマン航空基地に着陸中、スワンソンズ・ホーク(Buteo
swainsoni)と衝突した。その後、ソーシャルメディアでシェアされた写真には飛行機の着陸装置の内側に詰まった鳥の死骸が見られる。
更に今年3月すでに、オーストラリア国際航空ショーで厄介な鳥たちの威嚇行動が現実にボーイングC-17 グローブマスターに及ぼす損害を示した。
HDメルボルン・エビエーションが撮影した動画では大型の鳥が右端のエンジンにまっすぐ飛び込んだ後、火炎が爆発するところが捉えられている。
この損傷で本機グローブマスターは、ウイークエンド・ショーの残り日程を地上で過ごす羽目になった。
バードストライクは悲惨な状態につながるため、2000年代にアメリカ国防総省は、出来る限り安全な飛行を規定する、鳥/野生生物の航空機衝突危険プログラムを立ち上げた。
2011年度から2017年までの期間で、空軍の飛行に係わる事故で野生生物との衝突が418件であった。ミリタリー・タイムズ紙が当該危険プログラムから得た数字によると、これらの衝突により軍は1億8,200万ドル(196.6億円)を失った。
タイムズ誌によれば、バードストライクを避けるため空軍は2点の異なるシステムに頼っている。一つは空中の群れを監視する気象レーダー、もう一つは飛行場の周辺を飛行する鳥のそれぞれを検出するレーダー。
しかしながら、将来のバードストライクを避けようとしたシステムを備えても、テクノロジーの不在とレーダー射程の制限が主因で、問題は根強く残る。